白と黒のとびら 第10章 小さな変化 その1
第10章は「装置派」と「規則派」の対立が激しい学術院で装置と規則の表現力が同じであることを証明しようとするガレットの奮闘です。長いので何回かに分けることになります。
今日はまず、前提の確認のところまで
- 「クフ語の装置」とは以下のようなものである
- 白と黒の扉の付いた部屋からなる遺跡
- 一定の条件で筒の中身が変化する
- どの部屋でどの扉を選ぶかによって、または筒の中身がどのような状態にあるかによって移動先の部屋が決まる
- 筒の中身は後から入れたものほど先に出され、先に入れられたものは後から出される(LIFO)
- 装置(遺跡)にとって「文」とは「入口から出口に至るまでに選ばれる経路」
- 「クフ語の規則」とは以下のようなものである
- 「→」の左側に「いずれ何らかの文字列に置き換えられる記号」を1つだけ持つ
- 「→」の右側には、文字列か、「いずれ何らかの文字列に置き換えられる記号」か、あるいは両方を含むレツのいずれかを持つ
つまり「ST→U」とか「STU→●〇」はクフ語の規則ではない。